1章・投資の考え方および方法
投資をするにしても、少なくとも1000万円貯めてからで、それ以下なら働くか、節約するほうが効率が良いという意見もあります。※11
他にも、月収の7.5倍の貯金があるか、を基準とする意見もあります。※10
➀投資を考えるフレーム・ワーク
●投資の際の心理傾向
・儲けようとしすぎると、高値で買い増しをしてしまうようです。それは高成長企業とかに群がってしまうためのようです。高値掴みをしがちのようです。
・損したくないという気持ちは、つまらない行動に駆り立ててしまうようです。
ショックに遭遇するや、損を最小限に抑えたいと大慌てで売ったりするようです。ただし、それはもうすでに、株価は大きく下がっている状態であり、そこからさらに売り叩いているようなもののようです。
また安いとき、たとえば暴落相場なんて損しそうで、慌ててよう買えないようです。それどころか大慌てで売ろうとしたりするようです。
これは株上昇を「上手くとらえよう」「儲けよう」という心理によるもののようです。※20
●投資の「鉄則」
・投資は余ったお金で
・最初の資金はコツコツと働いて、節約して貯める
・収入の4分の1は貯金する
・一定以上の損がでたら機械的に売ってしまう
、、、ことのようです。※3
資産を一番増やす方法は「とにかく売らないこと」とも言えるようです。なぜなら、いくら上がり続けるインデックス・ファンドを買っても、たびたび取り崩していたら都度手数料や税金がかかって、十分なリターンを得られないとも考えられるようです。※12
●割がよくなる方法
➀自分でしっかり勉強して
②仲介者を通さずに直接売買する
、、、ことのようです。※3
●投資運用(Investment Management)の意義
単に、金融マーケットで株式などの売買を重ねて儲けようといった軽いものではないようです。将来んお経済や社会をつくっていく方向で、お金に働らいてもらうことのようです。
そのためには、
➀どんな経済や社会にしていきたいかが、まず問われるようです。
②「こんな経済や社会をつくっていくのだ」という強い意志が求められるようです。
③「リスクを取る覚悟」が問われるようです。※20
一方、資金運用(Money Management)は、株式など金融商品の単なる売買のことのようです。目的は売買益を稼ぐことのようです。
そして「ディーリング運用」という、経済活動の一環であるが、その働きはマーケットでの流動性を高めるぐらいの役割で、投資運用で求められる方向性や意志などは無用の運用になるようです。
また世界の投資運用が資金運用主体にシフトというか変容してしまったともいえるようです。これは年金運用を中心として、世界中のほとんどの機関投資家が、毎年の成績がすべてという方向に追いやられた結果ともいえるようです。※20
②アセットアロケーションとリスク許容度による方法
●アセットアロケーション
【定義】
Asset Allocation(資産配分)とは、自分のリスク許容度に合った運用商品のカテゴリーの組み合わせを考えることです。※9
アセット・アロケーションとは金融資産はマーケットの変動によって価値が増減します。資産を分散させることによって、自分の保有している金融資産全体が自分の望むレベルのボランティリティ(資産の変動率)に抑えられているかを確認することのようです。※16
【有効性】
資産のリターンは、アッセト・アロケーションでおおむね80%程度が決まるようです。※14
安全資産を多く持っているということは、家計に占める資産のほとんどを労働による収入に頼らなければならないということのようです。※14
米国ブリンソン・パートナーズ代表のG.ブリンソンが1995年に発表した論文によると、1974年から1983年まで全米91の年金基金(長期運用)について結果を調査したところ、運用成績を決める要因のうち資産配分によるものが何と93.6%を占めていたというのです。銘柄やタイミングというのは残りの6%強であったようです。※9
マネージャーストラクチャーとは、最適な運用機関の雇い方、資産運用の任せ方の構造で、肝心な事は①基金の意志で運用全体をコントロールできるようにすることと、②全体の合計が最適であるような状態を作ることのようです。※8
通常の資産運用に際しては、不意の出費があった場合のことを勘案し、「換金性」と「安全性」、そして「成長性」の3つをバランスよく考えて資産配分しておくことが大切だといわれています。※9
リスクを低減するために分散投資が本当に意味を持つためには、自分の持っている資産全体で考えることが重要です。
金融資産全体に占めるリスク資産の割合は3-5割程度はあってもいいと思われるようです。※9
また国際分散投資という観点からすれば、文の資産の中で一定割合の外国資産を持つことは必要だということは良く言われているようです。しかし多くの場合、それらは金融資産の中でのバランスのみを考えているようです(他、人的資産や不動産も)。
確定拠出年金の資産は全体でいえばそれほど大きなウェイトではありませんから、すべて外国株式や外国債券に投資するというのも決して極端な選択とはいえないと思います。
多少なりともリスク資産を持とうという意思があるなら、一定割合の外国資産は持ったほうがいいようです。
方法は実に簡単でシンプルなようです。世界の市場の時価総額の割合で、日本株式、先進国株式、そして新興国株式の比率で配分すればいいのです。これはすわなわち、毎月の掛金で世界全体に投資しているというのと同じことになります。※9
リスク資産への配分額は、よくあるように金融資産の中の比率で考えるよりは、具体的な「全額」で考える方が直接的で判断し易いためもあるようです。損か得の自分の生活への影響は、「360」(65歳から95歳迄の30年間が360か月であることによる)を単位にして換算を行うと、実感をもって考えやすいようです。※8
株式や投資信託を運用しているのに、確定拠出年金で元本確保型の商品に資金配分している、というようなチグハグな運用は合理的ではないようです。※8
アセット・アロケーションの複数の金融商品を組み合わせた運用資産全体を「ポートフォリオ」と呼び、一人ひとり異なるのはリスクテイクの大きさであって、選ぶべき運用商品は基本的に誰でも同じのようです。
一人ひとりの事情(年齢、財産額、運用経験など)によって最適な運用商品が変わるというのは、運用商品の売り手側がうるために流している「作り話」だと考えておくといいようです。※8
目先の資金作りとして貯金と積立投信が有効で、手堅く準備を進める場合は債権の割合を増やすことが有効のようです。※10
●アッセト・ロケーション
どの制度を使って運用するかということのようです。
同じ資産でもその置き場所を変えることに関係します。※9
●選ぶ順番とそれを踏まえた実践例
①リスク許容度の把握→②アセットアロケーションの決定→③商品の選択
①の「リスク許容度」を決める要素は、
ⅰ.保有資産の額(多ければリスク許容度は高くなります)
ⅱ.リスク耐性…自分の性格から考えて「損をした場合の精神的なダメージがどの程度なのか」という耐性のこと。※9
また更に貯金額を月収の7.5倍持っているかでリスク許容度を決めることも大切のようです。※10
D・貯金が月収7.5倍持っていて、リスク耐性が高い場合
iDeCoやNISAで運用するのが最適のようです。
NISAではiDeCoで扱っていないリスクが高めの商品や、手数料が安いEFTを選択を推奨するようです。
iDeCoでは通常の証券会社よりも手数料が抑えられている商品中心に選択を推奨するようです。投資額が大きくなるほど、手数料を抑える運用方法を選ぶのが最適のようです。
またアセットアロケーションは株式70%:債券30%が推奨されるようです。
20~30歳代の場合は外国の株式や債券を取り入れ、投資配分はNISA>iDeCoを推奨するようです。※10
E・貯金額が月収の7.5倍以上持っていてリスク許容度が低い場合
債券が多めのアセットアロケーションが推奨(例・債券70%:株式30%)。
20~30歳代の場合は長期的投資ができるメリットを最大限に生かし、積立投信とiDeCoを併走することが推奨のようです。
iDeCoのみで7:3に近づけるのではなく、iDeCoでは老後資金を、積立投信では目先の貯金というように、目的別に組み合わせてバランスをとることをオススメするようです。※10
F・貯金額が月収の7.5倍以上持っていてリスク許容度が高い場合
株式80%:債券20%
そのなかでも。よりリスクの高い外国株式、外国債券の比率を増やしたり、REITなどリスクの高い商品にも挑戦できます。※10
③長期投資という選択
●長期間一定額積み立てる方法の有効性
この根拠として、市場は常に動いているし、株価が暴落することもあるが、長期で見れば下がり続ける市場はないといえるためとも考えられます。これは過去のデータからいえる事実のようです。※12
全世界株に2006年から15年間、毎月2万円ずつ積立てていれば、リーマンショックで相場が低迷していた2008~12年は損が出ていたが、21年には元本の360万円が約900万円と2.5倍になっていたようです。※13
米国の株式市場でみると、過去130年余り、平均株価はずっと年10%ほどの上昇をしているようです。その130年間には第一次世界大戦、大恐慌と世界恐慌、第二次世界大戦、二度の石油ショック、ブラックマンデー、同時多発テロ、リーマンショックなどで株価は幾度となく暴落しているようです。それでも、ならしてみると年10%ほどの平均株価の上昇率のようです。
10~20年の年平均で10%ぐらいの株価上昇をしていいる企業を長期で投資し、中途でなんとかショックとかが発生しても慌てず騒がずで持ち続ければいいだけのことのようです。※20
●長期投資という選択(主にバブルに備えた投資法)
投資なんて、「安く買っておいて、高くなるのを待って売る」だけのことのようです。
企業を応援する、それが出発点のようです。
➀その製品やサービスをできるだけ買ってあげる必要があるようです。
②企業の応援株主になる必要があるようです。
長期の株式投資は企業を応援していくことであるようです。応援する以上は、最も応援しがいのある時に出て行かないと、名折れになるようです。
長期投資家=生活者投資家=個々人が自助の財産づくりを目指そうとする動きの台頭のようです。※20
年に3~5回はある株式市場の暴落を待つことが長期投資の出発点のようです。暴落相場となったらとにかく買うようです。もたもたしていると、買わないうちに株価は反転上昇に入りかねないようです。暴落相場は続くと報道されていても個別銘柄でみると、すでに底を打っているケースが意外と多いようです。
応援したい企業の株価は、バブル崩壊でもそれほど大きく下がらないようです。そして、案外と早い段階で反発の上昇に転じるようです。
そして、買ったらのんびり待つようです。
応援をにわか応援団にまかそうと決めたら、そこから先は適当に売りを出していくことが必要のようです。※20
反対にディーリング(Dealing:自己売買)というものはマーケットでの価格の上下変動を機敏にとらえて、価格差を取っていくようです。ほんのちょっとの値動きがあれば、すかさず売買益を稼ごうとする方法のようです。
値上がりしそうな銘柄は皆が同じような結論に至って、同じようなタイミングで買う事になるようです。よほど大きな上昇相場が到来してくれない限り、投資の収益は得られないようです。高値づかみをしてしまいかねないようです。
儲かるかどうかは、すべてマーケットでの相場動向次第のようです。マーケット内では多くの参加者たちが、お金の分捕り合いをやっているようです。よほど大きな上昇相場が続いてくれれば、どの投資家も利益を上げられるようです。しかし、上昇相場が終われば、それまでのことのようです。
本格的な長期投資の例としてノルウェーの公的年金があるようです。小粒のプライベートバンクのファミリーの資金運用に徹しているようです。ファミリーの資金を運用するだけだから、マーケティング競争や毎月の成績などとは無縁ようです。
・バブル時での有効性
長期投資の銘柄選別法としては、
買うのは、生活者からみて、5年先も10年先もずっと頑張ってもらいたい企業のようです。
売りがそれほど出てこない銘柄群に絞り込む必要があるようです。暴落相場の渦中にあっても、一部の銘柄群は早々と底を打つようです。それで株価は下げ止まってはいないものの、上昇しだすまでには至っていないような銘柄を選ぶのが良いようです。
いつのバブル崩壊でも、マネーというものは大きく吹き飛ぶが、一部はしぶとく生き残るようです。生き残ったマネーが、次の儲け場所を求めはじめるようです。そういったマネーが、株式市場での売りが途切れて、株価が下げ止まった株式に目をつけるようです。最初は徐々に上昇しはじめて、どこかで急騰に入っていくようです。
これがバブル崩壊後しばらくしての一部の株式のV字回復のようです。
一方で、熱狂的にバブル買いされてきた企業群ほど、長期低迷株の範疇に入っていくこともしばしばのようです。売りを浴びるのは嫌だと、買いはなかなか入ってこないようです。そして、新規の買いが入ってくるには(先取りした高値ゆえ)、株価はまだまだ高いようです。
バブル崩壊後の経済や社会の立ち直りは、いつも生活に密着したところから始まるようです。そのあたりをベースにして、新しい上昇相場が醸成されていくようです。※20
④有事のときの対処法
●長期の投資運用の戦略
➀バブル崩壊への準備(長期資産形成において)
バブル崩壊の痛手を最小限に食い止めることのようです。
そのために、バブル相場も早めに降りて、次のラウンドの準備を怠りなくすることが、「資産を守り、育てる」鉄則のようです。
暴落直後からの反発高や株価などの本格的な戻り局面でなら、いくらでも2倍高を期待できるようです。※20
②長期の投資運用の戦略(資産形成の肝)
バブル崩壊後の投げ売り局面では、宝の山が続出することのようです。多くの投資家が、バブル崩壊で大きな痛手を被るようです。とりわけ、企業や金融機関は巨額の投資損失や評価損を抱え込むようです。そして、それを賄うべく現金確保を急ぐあまり、本来なら絶対に手放さないようなものまで売りに出してくるようです。本格派の長期投資家は、そういった投げ売りの中で、宝物を片っ端から拾っていくのが大切なようです。
2008年9月リーマンショック後にニューヨークはマンハッタンのこの地区、パリのオペラ座近くならこことかの不動産物件を、ようやく手に入れた保険会社があったようです。※20
③金融バブルの崩壊
株価など金融マーケットが大暴落するようです。
企業や金融機関などが、巨額の投資損失や評価損そして不良債権の山を抱え込んで、途炭の苦しみに喘ぐようです。
その先では、巨額の資産デフレが襲いかかってくるようです。それが金利上昇と信用収縮を引き起こし、経済活動や社会を大混乱させるようです。
具体的には、インデックス運用とアクティブ運用は以下のようになります。
インデックスの先物、また日中の取引間にディーリング売買できる株式ETFなどパッケージ化された運用商品は、来る金融バブル崩壊時には、ひとまとめになって暴落するようです。
ひとまとめにパッケージ化されている悲しさ。石コロ銘柄が足を引っ張って、インデックスも株式RTFも全体では、なかなか浮上できないことになるようです。パッケージ運用商品の致命的な弱点が露呈するようです。
一方、アクティブ運用すなわち個別株式投資なら、個々の株価それぞれで対応でバブル崩壊後の混乱をいくらでも切り抜けられるようです。
玉石混交の投資などしない、将来の利益成長を見越した銘柄選択でもって勝負するのが、アクティブ運用のようです。この厳しい取捨選択が、バブル崩壊時などでは決定的な強みとなるようです。これは、利益成長の可能性の高い企業群を主体にポートフォリオを構築しているためのようです。したがって、バブル崩壊で株価が大暴落しても、利益の裏付けがあるから、株価の戻りも早いのだからのようです。
投資対象銘柄を厳選するアクティブ運用と、玉も石コロもひとまとめにしたパッケージ運用との違いがはっきり表れるのが、大きな暴落相場時と、その後の展開であるようです。
来る金融バブル崩壊で、運用成績はボロボロになるわ、インデックスなどのパッケージ運用で身動き取れなくなるわで、年金運用そのものがズタズタになってしまうようです。はじまって以来の深刻な事態となってしまうであろうそうです。
悪夢のような状況に、世界の年金も、運用業界も直面されるようです。
多くの企業が市場から整理淘汰されるまでは、インデックス運用の成績は足を引っ張られ続けるようです。※20
④国や政府の対応
リーマンショックやコロナ危機を乗り越えようと、先進国中心にタガが外れたかのような金融緩和と大量の資金供給を連発してきたようです。その結果、各国の財政赤字は拡大の一途となり、国債の発行残高は巨額に積みあがったようです。また中央銀行の資産規模は異常に膨れ上がったようです。
バブル崩壊で債券市場は暴落し、それは長期金利の急上昇を招くようです。となると、金利コストの急増で国債発行もままならなくなり、対策費の調達すら難しくなるようです。
この40年ほど、世界経済はずっと金融緩和と資金供給を増やす政策の下、「マネー膨れ」の道をたどってきたようです。それが行きつくところまでいってしまってのバブル崩壊になるようです。
これによりマネーを主体としてきたが、その価値観は吹き飛ぶと思われるようです。
バブル崩壊後に残された巨額の債務負担に、経済も社会も苦しむことに。そういった大混乱をともなって、マネタリズム政策は総清算を迫られるようです。
その後、実体経済への回帰が始まるようです。
マネタリズムの政策は、金利をゼロにして資金を大量に供給しさえすれば、経済は成長するというもののようです。先進国を中心にして深堀りしているようです。
これは経済は弱体化するばかりで、国や中央銀行への依存度をますます強めているようです。もたらしたものは、一部の富裕層への富の集中と、大多数の国民の低所得化だけのようです。金融バブルが崩壊すれば、とんでもないしわ寄せが、経済や社会そして国民生活にまで襲ってくるようです、
実体経済の復活は「マネーがすべての無機質な価値観」から、「もっと人間的なものに価値観が移っていく」ことになるようです。人々の生活が前面に出た経済となっていくのだから、情緒とか感情が織り込まれていって当然のようです。
実体経済への改革案として、
・年金資金70~80%は本格的な長期投資にまわし、10年ぐらいの時間軸で、どっしりと運用成績の最大化を目指すようです。2/3はインデックス運用で、買って保有しっ放しでよく、ディーリング売買など一切しないようです。1/3はアクティブ運用でたっぷりと時間をかけてリサーチし、運用コストをはるかに上まわる成績がついてくるようです。
・年金資金20~30%は今後3年ぐらいに予定される年金給付での出金を想定して、短期の運用でつなぐようです。こちらはディーリング主体の資金運用でいいようです。※20
⑤対策
アクティブ運用であれば、長期の株式投資に徹する限り、いくら運用資金が大きくなっても暴落相場を待って買い仕込むわけだから、いくらでも買えるようです。
どんなバブルでも、さしてバブル化していなかった銘柄群は結構あるようです。そちらに投資対象をシフトしておくことが必要のようです。さほどバブル化していなかった銘柄群は、それほどガンガンに買われてこなかったようです。ということは、バブルが崩壊しても、対して売りが出てこない、、、つまりバブル崩壊後も意外と早い段階で株価の下落は終わるようです。皆が総売りとなっているマーケットで、これはと思える企業の株式を好き放題に買えるようです。安値でもって。これおは強いようです。最高の買い仕込みとなるようです。※20
2章.金融論
➀資産の性質
●資産の分類
人的資本(Human Capital)というのは働いて得る収益を生み出す価値の源泉のことです。今後働いて得られる収入を現在価値に換算したものと同じ資産を持っているのだという考え方が人的資本です。
一方、金融資産(Financial Capital)は資産運用によって収益を生み出す価値の源泉のことをいうようです。※9
●資産運用商品
元本確保型商品(定期預金・保険商品)と元本確保型以外に分類されるようです。
資産ごとによりリスクとリターンが違います。
元本確保型商品・国内債券・海外債券・国内株式・海外株式の順番でリスクとリターンが高くなっていきます。※7
一般的に、値動きの異なるものに投資すること(分散投資)で効果が出ると言われているようです。※9
●リスクの種類
消費者金融の利率と国債の利率の差は、リスクの差と考えられるように、リスクは利率と考えられるようです。※14
➀価格変動…経済情勢や企業業績などが要因
②金利
③為替(円高・円安など)
④信用…金融商品を取り扱っている金融機関や株式・債権の発行企業などが、診療力を失ったり、破綻したりすることで、元本や利息が回収できなくなったり、金融商品の価値が落下するリスクのことのようです。
⑤インフレ ※7
③為替
国内事情だけで動くのではないようです。
為替の動きは、日本の内部要因よりは、アメリカや世界で起きる出来事連動しているようです。※19
③⑤為替とインフレの関係
日本は輸入大国なので、円安になると物価が上がります。経済の本をみると、円安でモノの値段があがるとインフレ気味になるとあるようです。※19
②金利に関係し「株式と債券は反対の値動きをする」という。
株式は景気がよくなり金利が上がると高騰し、一方で債券は金利が上がると価値が下がるようです。ただ、金利がほぼゼロの近年では必ずしも反対の値動きをするとはいえないようですが。※10
●リスク型金融商品と貯金
値動きのあるリスク型金商品に投資していい額の目安は、
10年以上預けておけるお金の半分が目安のようです。
3~9年の貯金に足しては3割ぐらいが目安のようです。※2
●金利
日本の10年国債 金利0.05%
米国の10年国債 金利2.3%
米国の30年国債 金利3%
そして、日本の多くの銀行では、すでに普通預金の金利が0.001%でさらに利息には約20%の税金も発生するようです。(2017.5.15時点)※19
②商品別紹介
■a.株式■
株式投資が預金よりも利回りがなぜ高いかといえば、銀行が間に入っていないからなのです。
「そもそも株式投資は何だ?」と考えると、自分のお金を企業に預けて、自分の代わりに使ってもある(増やしてもらう)ということのようです。
企業とは原則的に儲ける(お金を増やす)ことが仕事なので、預かったお金をわざと減らしたりはしないようです。お金を増やすために使い続けてくれるはずなのです。※3
●始め方
➀証券口座を開く
証券会社(少額で始めるなら手数料の安いネット証券がおすすめのようです)のHPから「証券口座」を開くことのようです。
会社によって株を買える最低単位が決められているようです。
最初は10万円~30万円あれば始められるようです。
何社かの株を少しずつ買って損する確率を減らす、というのがベーシックなやり方のようです。※3
初心者はSBI証券(操作画面が使いやすく、手数料が安いようです)、ソニーバンク証券(銀行口座と連動しやすく資金管理が便利のようです)がお勧めのようです。※4
②『会社四季』で気になる会社を探す
見るべきポイントは、借金は少ないか、キャッシュ・フローは黒字か、ROE,PER、PBRが自分なりの基準以上か
③気になった会社の「有価証券報告書」を読む
EDINET(http://info.edinet-fsa.go.jp)から見るようです。
見るべきポイントは、何をやっている会社か理解できるか、今後の海外展開、過去3年のキャッシュ・フローは黒字か、過去5年間配当は出ているかなどのようです。※4
→安全重視(2010年の基準)の指標
・PBR1.5以下、PER(株価収益率)17以下、株主資本比率(総資産に対して自己資本が占める比率のこと)50%以上
・配当利回り3%以上(わずかばかりの値上がり益を含めて年6%程度が目標)
・何を売っているかが分かる
・その会社を知っている
・海外にも展開している
・東証一部など※4
●運用スタイル
株にしろ、自分が「この値段なったら買おう」と思っている銘柄、物件を各々5件くらい目をつけておき、1年~2年ずーっと観察するようです。そして、いざその値段になったら時に「エイヤー」と買って、またずーっと待つのがもっとも安全な投資スタイルでもあるようです。
おいしい話にだまされない為、たった一つ、「自分が求める利回り」を明確にしておくことが必要のようです。※3
澤上氏も、本物の投資家とは「ずっと価値が高まり続けるであろうものを狙い定めて、しっかりと買い込むこと」と述べています。※20
●利回り3~4%程度のものを狙う方法
値上がりによる大きな儲けを狙わずにひたすら配当(株主に割り当てられる利益)を狙い続ける方法でもあるようです。
配当利回り(投資した金額に対して、いくらの配当が得られるのかを示す)3~4%程度のものを狙って買い、あとずっと保有することで配当をもらい続けていくようです。そして配当をもらったら、そのうち1割は自分の好きなことに使って、残りの9割で再び株を買うようにしていくようです。
「○○以上なら買い」、「○○以下なら売り」という答えはなく、ただ自分のルールで「どこまでのリスクなら許容できるか」を決めることが大切になるようです。※4
●ドルコスト平均法
「毎月決まった銘柄を、決まった金額だけ買う」という投資方法。
ついついたくさんの株を買ってしまう…安く買えるチャンスを逃してしまいがち…そういう人間の心の弱さを克服するための投資方法として、このように機械的に同じ金額だけ買い続けることのようです。
たいていの入門書に出て来る投資方法のようです。※3
インデックス・ファンドのように毎日価格が変わるものを一定金額ずつ買っていくことのようです。一度にまとめて買うより安く買える可能性が高くなるメリットがあるようです。タイミングを間違えて高いときにどんどん買ってしまうリスクもさけられるようです。※3
ただ大きな欠点があるようです。
それは「手数料」。
その方法を紹介している本では手数料のことが抜け落ちています。手数料も考慮しないと単なる「証券会社にとっておいしい投資方法」となってしまうのです。この方法で投資する場合には、必ず手数料の安いネット証券会社を選ぶのがよいともいいます。※3
●分散投資
多くの企業を選ぶ分散投資は暴落相場ではなんの効果もないようです。
注意力が分散しすぎで散漫になるようです。※20
●購入頻度
日本の株価はそんなに大きく上下することがないので、買い足すのは実は三か月~半年に一度くらいでもいい可能性もあるようです。毎月買い入れる場合は手数料に気を付ける必要があるようです。※3
●素人がプロに勝てない理由(詐称法)
「カリスマトレーダー」「株式投資専門家」などこういう人たちは「推奨銘柄」を発表します。すると読者が購入します。そうすると、株価は少しだけですが上がります。専門家の人たちはこの瞬間に買った株を売ってしまい、儲けを出すのです。そして上がった事を発表します。するとこの人たちの看板はますます上がり無限ループ。おすすめしている人がその株を持っているかどうか。投資銀行のおすすめ銘柄や、投資雑誌のおすすめ銘柄はあまりあてにしてはいけないようです。※3
●複利試算と対策
複利試算を投資利回りの皮算用に用いるのは危険のようです。
➀リターンの凹凸が極めて大きいからのようです。「ゆっくり上がってガツンと下げる」ことが一般的のようです。
②株式やコモディティが大きく下げた時は市場ショックや自然災害などの突発ショックが発生しているときであり、実際に資金が必要となる可能性が高くなるようです。つまり、最悪のタイミングで投資を止めなければならないことになり、これが運用成績を大きく押し下げることになってしまうようです。
③平均してマイナスリターンを想定してないようです。日本、韓国、中国、欧州も高齢化の過程にあるので、ますます株式リターンの複利の前提が通用する場所が少なくなってきているようです。
単純に「複利効果」を期待して何年も塩漬け株を保有することを避けるのが得策のようです。そのためにはサバイバル投資が必要で、eワラント、トラッカーや新興国株などを上手に使って、「チャンスだけに投資」、「悪い時は見送る」、「ショックに備えるバッファを持つ」などのようです。※21
●長く成長してくれる会社の見つけ方
投資先の会社は「世の中の人に好かれているか?」を考えることのようです。
素人が株式投資をする時は、「長期的な視点」を重視する必要があると思われるようです。※3
●ファンダメンタルズ分析とチャート分析
主にファンダメンタルズ分析とチャート分析によって行われるようです。
➀ファンダメンタルズ分析とは、企業の業績や株価などを用いた投資指標によって株価が割高か割安かを分析することのようです。
特に会計利益と株価の関係―会計利益が市場の期待よりも大きくなる会社は株価が上がる―については、Ball and Brown(1968年)など、日米を始めとする各国から学術的な証拠が疑いのないレベルで出ているようです。※14
②チャート分析とは、チャートパターンやテクニカルチャートを利用することで株価動向を分析することのようです。パターンを使っていけば株式のリターンが有意に得られるという事についての統計的な証明は、学術レベルでは目立った業績はありません。※14
米国株は同時多発テロ、リーマンショック、コロナショックなどと幾度もの暴落を短い期間で乗り越えて現在でも右肩上がりの成長を続けているようです。※12
先進国と新興国の株価においては、一部には、経済成長率が高いいわゆる新興国の株式に投資することが魅力的だとの意見もあるが、現在、先進国の株価と新興国の株価は連動性が非常に高く、後者は前者の変動をスケール的に拡大しただけに近い値動きになっているようです。新興国株式はリスクが把握しにくいこともあるので、当面、外国株式は先進国株式に投資すれば十分だという考えもあるようです。※8
一方、新興国株は、必ずしも先進国と連動するわけではありませんので、組み合わせて分散投資しておくことによって一定のリスク分散とリターン向上の効果が得られるという考えもあります。市場の規模がまだ先進国に比べると非常に小さいという特徴があるようです。それだけに上がる時も大きいかわり、下がる時も大きく下げるといった傾向がみられるようです。※9
機関投資家が使う期待投資収益率とリスクの前提条件から計算したものだが、国内株式:外国株式=4:6くらいがいいかもしれないようです。※8
●国内株
日本株は日本は他の先進国と比較すると唯一のマイナス成長で、22年の日本経済はコロナ対策として中小企業へほぼ無審査、無利子で融資していましたが、その特例が終了して倒産が多発するとも考えられるようです。※11
ただ世界全体でみても、日本の市場規模は10%弱程度のシェアがありますのでまったく無視するという訳にはいかないようです。※9
■b.債券■
あらかじめ決められた満期(償還日)までに定期的に利息を受け取ることができ、満期には元本が戻ってくるようです。※10
償還(満期)まで待てば、元本と一定の利息は戻ってくるのが債券ですが、中途では価格の変動があります。
一般的には金利が今度上昇した場合、価格は下落しますし、金利が下がれば、価格は上昇する傾向となります。※9
●国内債券
「国内債券」=日本の公社債(国債、地方債、社債を合わせたもの)などに投資しているようです。※10
リスクを抑える上では個人が利用出来る運用対象の中では「個人向け国債・変動金利型10年満期」の有利性が圧倒的のようです。銀行より安全で、将来の金利上昇リスクに強く、最低保証利回りの年率0.05%が相対的に有利のようです。
ただ確定拠出年金でなく、一般の課税講座で「個人向け国債変動10」を持つことを中心に考えたいようです。※8
マイナス金利という状況から見ると、値上がりが続くとは考えにくいようです。
■c.投資信託■
毎月一定額を支払って、肝心の運用は証券会社の人たちにお任せという商品のようです。※3
共同投資、分散投資、専門家運用とも。
株式や債券などの有価証券の問題を解決するために生まれたのが「投資信託」のようです。
問題とは、、、
➀まとまったお金がないと投資ができない
②リスクを抑えるため複数の企業に分散投資するためには多額のお金が必要
③どの企業に投資をしたらいいのか分からない
、、、の事のようです。※9
株式投資に関しては、年金運用中心となった時代背景から銘柄選択の必要ないインデックス運用が全盛となってきたようです。そして、さらにコストが安く大量の資金を運用できるインデックスの先物売買が代表するということになったようです。※20
インデックス・ファンドが連動を目指すインデックス(株価指数は)は、MSCI-KOKUSAI(日本を除く先進国株式に円建てで投資した状態を表すインデックス)など、主に先進国に幅広く分散投資する株価指数を選ぶといいようです。※8
過去20年の成績を見れば米国株のインデックス投資で十分とも考えられるようです。※11
パッシブ型とアクティブ型があり、パッシブ型とは、市場の平均的なリターンを目標とする運用スタイルのようです。
代表的なものとして「インデックスファンド」と呼ばれる商品のようです。
日経225やTOPIXなど株価の平均値に連動するような動きをする運用を目指しています。
市場全体の株価が上がる=好景気になればインデックスファンドの価値は上がり、市場全体の株価が下がる=不景気になれば、インデックスファンドの価値は下がります。
パッシブ型はコスト面でも優れており、概して信託報酬は低めのようです。コンピュータが操作して、指数に連動させるため、比較的人件費がかからず、コストを抑えられるようです。※10
インデックスファンドは、株価は長期保有すると年10%ぐらいの上昇をするものだという経験則を反映しているようです。※20
一方、アクティブ型は、目標とする指数の値動きを上回ることを目指すもののようです。運用担当者(ファンドマネージャー)が個別の会社を分析したうえで会社を選定し、投資しているようです。※10
●投資信託の商品の種類別傾向
投資信託の外国株式は、ほとんどが先進国に投資するタイプのもののようです。比率としては米国が一番多く約半分強、その次が欧州諸国のようです。※9
投資信託の外国債券も、一般的には、中身の構成は40%程度が米国で、外国株式型に比べるとやや欧州の比率が高いのが特徴のようです。※9
投資信託の保険は満期を迎える前に中途で解約すると元本を割る(「解約控除」という金額が積立額の中から引かれることがあります)ものがあるようです。※9
●購入場所
購入手数料の安い(ゼロのところが多い)ネット証券がお勧めのようです。※2
●推奨銘柄
厚切りジェイソンが薦める銘柄はVTI(バンガード・トータル・ストック・マーケット・ETF)らしいです。ETFとは上場投資信託のことのようです。
連動株価指数はCRSP(シカゴ大学証券価格調査センター)USトータル・マーケット・インデックスのようです。
これを選んだ理由として
➀リスクの分散…米国株価指数NYダウ(組入銘柄数30)S&P500(組入銘柄数500)でCRSP指数は約4000全米株式市場の99%以上をカバーしているためのアメリカ市場のほぼ全体に分散投資しているのと同じのようです。
②成長性があるため…CRSPには中小企業も含まれているようです。中小企業がいいのは、将来飛躍的に成長するチャンスがあることのようです。もちろん、組入比率の高いマイクロソフトやアップルといった有力企業の今後の成長も享受できるためのようです。
一方、VTIはドル建てだし配当の二重課税の手間もあるため楽天VTIを推奨ともいえるようです。※12
●株式ETF
株式ETFもパッケージの中身はというと、やはり同じように玉石混交で企業の株式を組み入れているようです。※20
■d.NISA■
税制的に得する仕組みをわざわざ国が用意しているとも考えられるようです。※11
・最適利用法
NISAには途中売却したくならない商品を選ぶのが良いようです。NISAは売却してしまうとその金額だけ非課税枠から外れることの差が重要のようです。
分散投資が行き届いた安定性のある運用対象が良いようです。
また手数料が安いETFを利用できることからTOPIX連動型のETFがベストな運用選択肢になることが多いようです。
確定拠出年金と合わせた場合、資産の入れ替えが不便なNISAから、手数料の安い運用商品で順番に埋めていくのがよいようです。※8
ジュニアNISAというものもあります。教育資金を貯蓄型の保険で備えている家計は多いと思いますが、保険料は毎月の固定費です。家系から負担なく積み立てられる全額をジュニアNISAで積み立て、複利の力を借りて教育資金を準備するのも一つの効率的な手段だと考えることもあるようです。
ジュニアNISAとは、0歳から19歳までの未成年が利用対象ですが、実際は代理運用が可能な少額投資です。最大の特徴は、年間80万円の非課税枠があり節税できることと、18歳まで引き出せないことです。※10
■f.外貨預金■
通常、日本の銀行に預け入れた外貨預金は、日本の銀行でしか出せないので、為替の影響は避けられないようです。
日本の銀行口座に入れたお金を、アメリカのATMからドルで引き出すこともできないことはありません。ただ、この場合は、日本円の口座からインターナショナルカードを使って引き出すことになるので、為替の影響を受けるようです。その際は、VISAが運営する世界的なネットワークの「プラス」などを使うので、その手数料もかかるようです。
預けた外貨預金を外貨のままで引き出せる銀行もあるます。ただ、海外旅行に行くのに大量の紙幣をバックに詰め込んで行くというのは、不用心極まりないようです。
米ドル札で引き出すなら、日本円で引き出すよりさらに高い手数料を引かれるようです。※19
外貨に投資するなら外貨預金より、手数料の安い外貨MMFを積立が推奨のようです。外貨投資をするときは、手数料がいくらかかるかを必ず計算してみることが大切のようです。※2
外貨投資には、外貨預金も外貨MMFも外国株式もすべて為替リスクがあるようです。為替リスクとは、為替レート(1ドル=○○円という交換レート)が、日々変わることによって、損をする危険のことのようです。
為替の予想は株価の予想よりはるかに難しいとされるようです。※2
■g.REIT(リート)不動産投資信託■
投資家から集めたお金で不動産を購入し、賃貸収入やその物件を売ったときにでる利益を、投資家に分け与えるという投資商品のようです。※10
投資信託の形をとって不動産物件に投資をし、そこから生まれる賃料収入や売却益を利益として計上するもののようです。※9
単に不動産価格の値上がりのみを狙うものではなく、賃料収入などを中心として得られる収益を主な収益源とするタイプの投資信託のようです。※9
■h.MMF(マネーマネージメントファンド)とMRF(マネーリザーブファンド)■
短期的に資金をプールしておくため、外貨建てMMFは外貨預金的な意味合いで通貨分散をするにはいい商品です。2016年2月に始まったマイナス金利政策の影響で一部の商品に購入停止などの措置がとられているようです。満期がなく、市場の金利に連動して分配率が変わります。今のように、低金利で将来金利が上がるかもしれない時には、こういうタイプの変動金利型の方が有利のようです。
また満期がないということに加えて解約手数料もかかりませんので、市場が過熱気味になって株式型投資信託を売却し、一時お金を待機させておきたいという時には定期預金よりも使い勝手がいいと思もわれるようです。※9
■i.定期預金■
預けている金融機関が破たんした場合、ペイオフが実行されますので、一定の元本(1千万円)とその利息まで預金保険機構によって保護されます。DCの定期預金と一般の定期預金の合計。※9
目線を変えていると、実は預金というのは(今後価値が下落するかもしれない)「日本円一点張り」というリスクの高いお金の使い方なのです。※3
リスクとしては
➀日本の財政破綻のリスク
②ハイパーイフレ…第二次世界大戦後の日本、アジア危機の際の韓国、直近のギリシャのように国家的な危機など※21
■j.絶対に手を出してはいけないハイリスク商品■
➀株式の信用取引…元金と証券会社から借りた資金で、元金のおよそ3倍の「株式」の売買をするもの。
②FX…元金の2~100倍程度の資金を借り、「外貨」を売買するもののようです。
③商品先物取引…商品先物市場に上場されている「商品」先物を、数%の証拠金で売買するものようです。
④カバードワラント…株式などの「買う権利」や「売る権利」を売買する商品株価が予想と反対に動くと、投資金額がゼロになることもあるようです。※2
③金融の哲学
●リスクの計量
金融はリスクの計量ができるのに、ギャンブルはできない、という事が差を作っているようです。
リスクが計量でできるようになったことで、(確率や統計学は発達し)金融(保険も)が大きく発展したようです。
そして、大規模な投資が可能になり、その投資で得た資金により、一部の国による海外への領土拡大や産業革命へとつながり、現代の資本主義を作り上げていきました。そして、そのリスクの計量をうまく行い、リスク・リターンのバランスから自分の資産をリターンが得られやすいところに上手に配分した人ほど豊かになる、というしくみが生まれていったのです。
そこから「現在価値」と呼ばれる概念が登場。今ある100万円と5年後の100万円とでは、今の100万円の方がずっと価値が高いと考える概念です。なぜなら、投資した場合、未来には統計的には増えている可能性の方がはるかに高いための概念のようです。※14
孫子も計算されたリスクは引き受けるが、無用のリスクは決して負わないスタンスだったようです。※15
「利回り」というのは「儲け」をあらわすものですが、同時に「リスク」をあらわすものでもあります。※3
●リスクを取らないリスク
金融資産に関しては2つのリスクが存在します。それは、円安とインフレです。1990年代から20年続いてきた円高とインフレです。円高とデフレが、長期的な円安とインフレに反転していく可能性があるのです。
➀円安
円の価値が他の通貨に対して下がっていくことのようです。
為替レートは、短期的には投資資金の流れや金利差によって影響されますが、中長期的には経常収支やインフレ率の差の変化で説明されます。
今後、日本がデフレから脱却することでアメリカとのインフレ格差が縮小し、経常黒字が減少すれば円安ファクターとなります。また日銀の異次元緩和金融政策も、円安を後押しします。
将来の為替レートに関しては、円高になるのか円安になるのかを予想を立てて当てにいくのではなく、確率から投資比率(円資産と外貨資産の比率)をきめていくのが合理的のようです。
②インフレ
貨幣の価値が下がり、相対的にモノの値段が上がっていくことです。
もし物価が10%上昇するなら、自分の資産も10%増えていなければ、元本は減っていなくても実質的な価値は減少することになります。
消費税引き上げも、消費に与えるインパクトは物価上昇と同じです。
インフレが顕在化すれば、低金利の預貯金から株式や不動産に資産が流れ、価格が上昇してくる可能性があります。貨幣よりも実物の資産を保有しようとする人が多くなるからです。※16
●リスクと運命に関する関係
私たちの自由意志(自己の意志の「実現の可能性」)が消滅してしまわないように、私たちの諸行為の半ばまでを運命の女神が勝手に支配しているのは真実だとしても、残る半ばの支配は、あるいはほぼそれぐらいまでの支配は、彼女が私たちに任せているのも真実であると、マキャベリは判断しておくようです。
運命がその威力を発揮するのは、人間の力量がそれに逆ってあらかじめ策を講じておかなかった場合においてであり、性質や資質を何ら変えられていないのに、ある君主が今日は栄えていたのに、明日には滅びるといった事態を、見かけることがあります。全面的に運命にもたれかかっていたので、それが変転するや、たちまち滅びてしまたのであるようです。
時代の特質か彼らの行動と合っていたのか、あるいはいあんかったのか、それ以外の何物からも生じなかったのであるようです。生まれつきの性質が赴かせたところから、おのれの身を引き離すことなど、人間にはできないからのようです。
マキャベリとしてはけれどもこう判断しておくようです。すなわち、慎重であるよりは果敢であるほうがまだ良いと。大胆であればあるほど、彼女(運命の女神)を支配できるからといっています。※17
●金融商品を運用するときの人間の特徴
プロスペクト理論…この理論は「多くの人は、通常、利益が上がることによる効用の増加よりも、同額だけ損失を受けたことによる効用の減少の方が大きい」ということを実証的に表したものののようです。
カーネマンとトゥベルスキー(経済学者)によって提唱されたようです。
利益や損失のブレが生じるような資産については、より高い運用利回りを得られないと誰も投資しなくなります。それを避けるためには「リスクプレミアム」と呼ばれる“おまけ”が付くようです。※14
●流動性
債券や株式については価格上下以外に注意すべき点のようです。
市場に流通している株式の数とそれを買えるだけの資本の量のようです。
市場であまり流通していない債券や株式を買ってしまうと、売りたいときに売れない、買いたいときに買えないという事態が生じます。一般に、市場で売りたいと思っている人の価格、買いたいと思っている人の価格をヒット価格といいますが、流動性が低い金融商品は、このオファー価格とビット価格が離れていることが多いようです。そのため、買うときは割高で買い、売る時は割安で売る、ということも生じてしまうようです。※14
④金融の簡単な歴史
1978年、アメリカで「401K」が導入されたようです。※14
1985年のドル/円レートは1ドル=250円台。そこでアメリカが、円は安すぎると主張したようです。各国が同調し、プラザ合意で1986年7月には1時1ドル=160円を突破する超円高になりました。※19
1980年代半ば頃から、年金のような巨大資金を運用するには、個別株投資では企業リサーチがとうてい間に合わないようです。また、運用コストも嵩んでしまうということで、インデックス運用主体へとシフトしていったようです。※20
1980年代終わりごろ、機関投資の運用といえば「毎年の成績を追いかけるもの」という考えが定着されてきたようです。昔からの投資運用は欧州大陸系のプライベートバンキングなど一部で細々と残っているだけとなってしまったようです。代わって、世界の機関投資家の運用の大半は資金運用へと鞍替えてしまったようです。
年金を中心とした巨大運用システム、ディーリング主体で毎年の成績を追い掛ける資金運用に、全面的といっていほどにシフトしたようです。※20
年金運用を中心にして、世界的に機関投資家化現象が進んだようです。それによって、世界の投資運用ビジネスが大きく変容してしまったようです。毎年の成績を追い掛ける資金運用やディーリングが、機関投資家運用の主柱となってしまったようです。※20
2000年『金持ち父さん貧乏父さん』が日本で発売
日本人にはなじみのなかった「投資」の考え方を提唱したようです。この本の影響で2000年代には日本でも「セミナーブーム」が起こったようです。※3
2005年 日本の株式などが40%も上がったようです。
2006年 グローバル・ソブリン債、通常「グロソブ債」がブーム。※14
2011年3月17日円が今までで最高値を記録したようです。
東日本大震災(3.11)が起きた直後の出来事です。
理由としましては、日本で震災が起きて、日本の保険会社が被災者の保険を支払うために海外の資産を大量に売って円をたくさん確保するのではないかという思惑が働き、今のうちに円をたくさん買っておこうという動きが表面化したことだったと言われているようです。※19
2012年末・第二次安倍政権の金融政策
2012年末~2014年末
ドル円 8815円→119.76円・円安が進み日経平均株価1万39円→1万7450円67.9%上昇
先進国の株価指数(MSCIコクサイインデックス円ベース)
2012年末~2015年末 円安と株高の相乗効果で、97.8%と大きく上昇しているようです。
→この出来事は円の預貯金だけを保有していた人と株式や外貨に資産をシフトしていた人の間には、運用格差が火尖っているようです。※16
2016年末から急激に10円以上の円安が始まりました。
トランプ政権への期待とアメリカのFRB(連邦準備制度理事会)が金利を引き上げたアメリカ要因によるものといわれています。
あるいはアベノミクスで日銀が円安にしたという見方もあるようです。不況から立ち直ってきたアメリカが2012年末までに在庫調整を終え、景気が良くなってきたからドルが買われて円安になったという見方の方が主流のようです。※19
2018年
2013年から2年で終わるはずだった日銀の金融緩和(マイナス金利をはじめとする金融政策)が2019年まで先延ばしされたようです。
これにより金融機関の収益が悪化しました。運用難、多額の内部留保を抱えた企業には融資が難しく、住宅販売低迷で個人の新規ローンも増やせず、日銀の当座預金も封じられ、国債買いもままならないようです。
そして、生き残りをかけて個人をターゲットに、利ざやの稼げるカードローンや手数料が確実に手に入る投資商品の販売が行われるようになったようです。
多くの国は金融緩和から引き締めに転じていてヨーロッパもアメリカも利上げを模索している中で、金融緩和の最中にいる日本だけは、景気が後退する中で、利下げという打つ手をもてなくなっているようです。
また2018年から、世界的な不況に突入すると予想され、
➀世界中で行われてきた金融緩和のツケで膨れあがった負債はバブルとなっている可能 性が高く、これがはじけるのではないかと考えられています。
②世界経済を牽引してきた中国をはじめとした新興国家の経済にも陰りが見え始めているようです。※19
参考文献
※1…『LIFE SHIFT』リンダ・グラットン/アンドリュー・スコット(訳)池村千秋、東洋経済、2016.11.3
※2…『結婚したら、やっておくべきお金のこと』中村芳子、ダイヤモンド社、2009.5.28
※3…『20代、結婚までに知っておくべきお金の使い方』野瀬大樹、裕子、クロスメディア・パブリッシング、2011.6.11
※4…『「結婚」で人生を黒字化する』野瀬大樹、裕子、祥伝社、2010.11.5
※5…MIZUHOハンドブック『マンガでわかる確定拠出年金』
※6…『結婚したら、やっておくべきお金のこと』中村芳子、ダイアモンド社、2009.5.28
※7…『確定拠出年金 スタートブック』
※8…『確定拠出年金の教科書』山崎元、2016.6.10、日本実業出版社
※9…『はじめての確定拠出年金投資』大江英樹、東洋経済新報社
※10…『誰も教えてくれなかった!「確定拠出年金」利回り 20%の投資法』2016.11.5横山光昭、宝島社
※11…『ダイヤモンド・ザイZAI』2022.3月号 ダイヤモンド社 西村博之インタビュー
※12…『ダイヤモンド・ザイZAI』2022.3月号 ダイヤモンド社 厚切りジェイソン
※13…『ダイヤモンド・ザイZAI』2022.3月号 ダイヤモンド社
※14…『お金は銀行に預けるな~金融リテラシーの基本と実践』勝間和代、2007.11.20光文社
※15…『孫子 戦争の技術』サミュエル・B・グリフィス[訳]漆嶋稔 2014.9.24日経BP社
※16…『内藤忍の資産設計塾』内藤忍2015.5.26 自由国民社
※17…『君主論』マキャヴェッリ(訳)河島英昭 岩波文庫 1998.6.16
※18…『2050 老人大国の現実』小笠原泰・渡辺智之、2012.10.18東洋経済新報社
※19…『投資なんか、おやめなさい』荻原博子2017.9.20新潮社
※20…『大暴落』澤上篤人2021.6.16明日香出版
※21…https://moneyzine.jp/article/detail/202241/ 土居雅紹